【6月7日 AFP】ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)で6日、警官隊が無期限スト中の地下鉄職員と衝突した。また、政府の政策に抗議する約3000人の平和的デモが市内の交通渋滞を引き起こすなど、同市初のサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)開幕を6日後に控え、不安が高まっている。

 地下鉄職員らによるストは、賃上げ要求10%に対し8.7%の回答で交渉が決裂した後、5日早朝から始まった。6日の衝突では、通勤客らが地下鉄主要駅に入ろうとした際に、集まっていたストライキ中の職員に対し警官隊が催涙ガスを使用し、警棒で参加者らを叩いてピケを押し戻した。ストのため通勤者450万人が足止めされ、道路渋滞は250キロにまで延びた。

 一方、市内の中央銀行の前では、労働組合が組織した平和的な抗議活動で3000人のデモ参加者が通りを一時封鎖した。

 最近のサンパウロの問題について、国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football AssociationFIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は5日、大会が始まれば緊張は鎮まるとの見方を示した。「私は楽観主義者だ。トーナメントがキックオフすれば、ムードは良くなると思う」

(c)AFP/Natalia RAMOS, Laurent THOMET