【6月6日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は5日、フランス・パリ(Paris)で英仏首脳と相次いで会談し、ウクライナ危機発生後初めて外交の舞台に復帰した。

 3月にロシアがクリミア(Crimea)半島を編入して以降、これまで米国とその同盟国はロシアを冷遇し、会合を持ってこなかった。

 しかし翌日に、仏ノルマンディー(Normandy)で行われる第2次世界大戦(World War II)中のノルマンディー上陸作戦の決行日「Dデー(D-Day)」70周年記念式典に出席する予定のプーチン大統領は パリに立ち寄り、デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相と会談した後、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領と夕食を交えて会談した。

 キャメロン首相は、ロシアを除いた先進7か国(G7)首脳会議が行われていたベルギーのブリュッセル(Brussels)から直接パリ入りした。G7首脳は、ロシアが隣国ウクライナの安定を損なう工作を行っているとし、直前のブリュッセル会議では、そうした工作を止めなければロシアへの制裁を強めると警告した。

 プーチン大統領との会談についてキャメロン首相は英国放送協会(BBC)に対し「特に(ウクライナ)大統領選を終えた後の今、ウクライナをうまく平和に安定化させる機会があるという明確なメッセージを持たせたものだ。しかし現状は容認できるものではなく、変化が必要だ」と語った。

 さらに「ロシアは(ウクライナの)新大統領をしっかり認め、強力する必要がある。われわれは激化した緊張の緩和を必要としている。武装を解き、越境行為を停止させる必要がある。国境付近に対する行動が必要で、しかしそれがあれば、ウクライナとロシアが適切な関係を持ち、ウクライナの人々が受けるに値する未来の成功をもたらす外交的な道筋が開けるだろう」と語った。

 またオランド大統領の側近は、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)新大統領に近日中に会見するよう、オランド大統領がプーチン大統領に促したと述べた。

 プーチン大統領は6日、Dデー記念式典の前にドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相とも会見する予定になっている。(c)AFP/Angus MACKINNON