中国一の大富豪、スペイン不況象徴の歴史的建物を370億円で購入
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【6月6日 AFP】スペインの不況の象徴となっていた首都マドリード(Madrid)にある歴史的な建物を、中国一の大富豪が2億6500万ユーロ(約370億円)で買い取ったことが5日、明らかになった。建物を所有するスペイン最大手銀サンタンデール銀行(Banco Santander)が発表した。
このビルは、スペイン広場(Plaza de Espana)に面した赤白のれんが壁が美しい25階建ての「スペインビル(Edificio Espana)」。フランシスコ・フランコ(Francisco Franco)将軍による独裁体制下の1953年に建築され、オフィス兼住宅の複合ビルとして使われていたが、2006年からは入居者ゼロの状態が続いていた。
サンタンデール銀は07年に3億8900万ユーロでこのビルを購入したものの、その翌08年にスペインの不動産バブルが崩壊。ビルは、数百万人が失業に追い込まれたバブル崩壊と不況の象徴と化していた。
サンタンデール銀によると、ビルを購入したのは2013年中国長者番付1位の王健林(Wang Jianlin)氏が会長を務める中国の不動産開発大手・大連万達集団(Dalian Wanda Group)の子会社。スペイン当局は、このビル売却によってマドリードの中心地に新たな息吹が吹き込まれることに期待を寄せている。(c)AFP