【6月6日 AFP】カナダ・フランス語圏のケベック(Quebec)州で5日、終末期の患者の自殺を医師が手助けすることを許可する州法が可決された。

 自殺ほう助を実質的に合法化する同国初の州となるが、カナダの連邦法は本人の同意があった場合でも安楽死を違法としているため、法的な論争となりそうだ。連邦法に抵触することを避けるため、ケベック州側はこの問題は刑事問題ではなく州の管轄下にある健康問題だと主張する構え。フィリップ・クイヤール(Philippe Couillard)州首相は、終末医療の問題であり「安楽死ではない」と擁護している。

 今回の法案が昨年明らかにされた際、同州の元保健相は、この法律によってケベック州の住民が「最後の日々を自らの意志に従ったより安らかな方法で」送れるようになると歓迎した。一方で法律の乱用を懸念する声もある。

 同法の適用対象とされるのは、ケベック州住民のうち末期疾患に侵されている成人のみとなっている。米国のモンタナ(Montana)、オレゴン(Oregon)、バーモント(Vermont)、ワシントン(Washington)の4州にも同様の法律がある(c)AFP