【6月6日 AFP】ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)では5日、地下鉄職員らが無期限ストに突入したため、通勤の足に大幅な混乱が生じ、1週間後に同市で行われるサッカーW杯(2014 World Cup)開幕戦への影響も懸念されている。

 人口2000万人のサンパウロでは、毎日450万人が地下鉄を利用している。さらに地下鉄は、サッカーW杯の開幕戦が行われる市内のスタジアム「アレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)」へ行くための主要交通手段でもあり、無期限ストはW杯主催者にとっても悩みの種となる可能性がある。すでにスタジアムのある駅では不満を募らせた通勤客が駅入口の柵を壊す事態も起きている。

 車で通勤する人が増えたため、朝のラッシュアワーには最長209キロにも及ぶ渋滞が発生。同市で今年に入ってから最悪かつ史上3番目の長さを記録する渋滞となった。サンパウロでは交通警官の4分の3もストライキ中で、そのため渋滞はさらに悪化している。地下鉄職員によると、ストの影響が出ているのはサンパウロ市内を走る5路線のうち3路線。

 同市では1年前、交通料金の値上げに反対する大規模な街頭デモが起き、これがW杯に110億ドル(約1兆1000億円)以上が投じられていることに対する全国的な抗議行動に拡大した。

 一方、W杯の試合が開催される国内12のスタジアムのうちいくつかでは、今も急ピッチで建設作業が行われている状態で、アレーナ・デ・サンパウロも消防局から完全操業の安全許可がまだ下りていない。(c)AFP/Natalia RAMOS