【6月4日 AFP】前週米ハリウッド(Hollywood)のレッドカーペットで乱入した男に襲撃された俳優ブラッド・ピット(Brad Pitt)さんが、事件について初めて公にコメントした。このなかでピットさんは、この人物を「頭がおかしな男」と表現した。

 米誌ピープル(People)が独占入手した声明で、ピットさんは、妻のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんの最新映画『マレフィセント(Maleficent)』のプレミア上映会でサインをしていた際に股間にビタリ・セディウク(Vitalii Sediuk)さん(25)が飛び込んできた時の様子を説明した。

 ピットさんは「列の最後尾でサインをしていたら、視界の隅に柵を越えて飛び込んでくる人物が見えた」「一歩後ずさったんだが、男は下襟(ラペル)をつかみ離さなかった。見下ろしてみると、この頭が変な男は私の股間に顔を埋めようとしていたよ」と述べた。

「(セディウクさんの)後頭部を2回叩いた。あまり強くではなかったが、彼の注意を引くには十分で、実際彼は手を離した」「彼は数人の男たちに羽交い絞めにされていたから、支えになる何かをつかむ必要があったったんだろう。彼は腕を上げて、私の眼鏡をつかんだんだ」

 ここ数年同様の奇行を繰り返しているセディウクさんは、問われた2件の罪を認め、5月30日に保護観察3年と心理カウンセリングの受診を命じられている。

 さらに20日間の社会奉仕活動と、ピットさんとジョリーさんから500メートル以上の距離を置くようにとの接近禁止命令が言い渡され、アカデミー賞(Academy Awards)授賞式の会場である「ハリウッド&ハイランド・センター(Hollywood and Highland Center)」には近付かないよう念を押された。

「目立ちたがり屋は別に構わない。でもこの男がこれ以上続けるようなら、みんな群衆に接近するのを警戒するようになってしまう。サインやセルフィー撮影のために徹夜で待つファンたちの努力は台無しになる」とピットさんは語った。

 セディウクさんは今年のカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で米女優アメリカ・フェレーラ(America Ferrera)さんのスカートの中に頭を突っ込む騒動を起こした。他にも米俳優のウィル・スミス(Will Smith)さんや歌手のマドンナ(Madonna)さん、英歌手のアデル(Adele)さん、米俳優のレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)さんらがセディウ氏の迷惑行為を受けている。

 2013年2月のグラミー賞(Grammy Awards)の授賞式では、司会のジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)さんがアデルさんの名前を読み上げた際に、警備を突破して壇上に上がっていた。(c)AFP