スペイン国王が退位、後継はフェリペ皇太子に
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【6月2日 AFP】スペイン政府は2日、国王フアン・カルロス1世(King Juan Carlos、76)が退位し、フェリペ皇太子(Prince Felipe、46)が王位を継承すると発表した。フアン・カルロス1世の在位期間は39年に及んだ。
マリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相が報道陣向けの緊急発表で「フアン・カルロス国王陛下から今、王位を退き、すぐに王位継承の手続きを始めたいとの意向を伝えられた」と述べた。
フアン・カルロス1世は、独裁体制を確立していたフランシスコ・フランコ(Francisco Franco)総統が死去した1975年11月に即位。スペインの民主化を推し進めたが、近年は自らも含めた王室スキャンダルに見舞われて人気を失っていた他、健康問題にも悩まされていた。
特にイメージダウンとなったのは2012年4月、国民の4人に1人という高い失業率でスペイン全土が不況に苦しんでいる時に、アフリカのボツワナでゾウ狩りをしていたことが発覚した際だ。また娘のクリスティーナ王女(Princess Cristina)の夫は2010年以降、公金横領疑惑がもたれており、王女も関与したとされている。
こうした時期に息子のフェリペ皇太子の支持率が上がった。フェリペ皇太子は198センチの長身で、ヨットでの五輪出場経験もあるアスリート。スキャンダルの多い一家の中にあって比較的「無傷」だ。おおらかな父親のフアン・カルロス1世よりも控えめで、笑顔を絶やさないが、独裁制からの移行期のスペインで歴史的役割を果たした父親と比較されてばかりいた時期もあった。
私生活ではいくつかの浮き名を流した後、04年にテレビ司会者のレティシア・オルティス(Letizia Ortiz)さんと結婚。首都マドリード(Madrid)のアルムデナ大聖堂(Almudena Cathedral)で式を挙げた。レティシア皇太子妃(Princess Letizia、41)は同国で民間人初の王室入りだった。(c)AFP