【6月2日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は1日、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)が、顔面認識システムに利用する目的で、市民の電子メールなどから大量の顔写真を収集していたと報じた。

 ロシアに一時亡命中のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)元NSA職員から得た資料に基づく情報として同紙が伝えたところによると、NSAの顔面認識技術の信頼性は過去4年間で飛躍的に高まっている。

 NSAは新たなソフトウエアを用いて、電子メール、携帯メール、ソーシャルメディア上での投稿、ビデオ会議などの通信を傍受し、膨大な量の画像を収集しているという。

 スノーデン元職員が流出させた2011年の文書によれば、NSAは「1日当たり数百万点」の画像を傍受しており、うち5万5000点は顔面認識に使用できる画像だった。

 同紙は、収集した画像は「膨大な未開の可能性」を秘めたものであり、NSA高官らは技術進歩によってNSAの情報活動における標的の特定に革命を起こすことができると考えていた、と報じている。

 同紙は、NSAに顔写真を収集された具体的な人数や、米国民がどれほど含まれていたかは不明とした上で、米国のプライバシー保護法と監視関連法はいずれも顔写真の保護を定めていないと指摘している。(c)AFP