ユダヤ博物館銃撃、フランス人の男を逮捕 シリア過激派と関係
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【6月2日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)のユダヤ博物館(Jewish Museum)で先週発生した銃撃事件で、フランス当局は1日、シリアのイスラム過激派組織と関係するフランス人の男を逮捕したと発表した。男は犯行を認める内容のビデオ映像を所持していたという。
メディ・ネムシュ(Mehdi Nemmouche)容疑者(29)は先月30日にフランスの南部マルセイユ(Marseille)に到着した際に税関当局により身柄を拘束された。犯行を認める40秒のビデオ映像とともに、カラシニコフ(Kalashnikov)銃と拳銃を携帯していたという。
仏パリ(Paris)のフランソワ・モラン(Francois Molins)検察官によると、「累犯者」のネムシュ容疑者は、ビデオ映像の中で、「GoPro」カメラをかばんに装着して銃撃の様子を記録しようとしたがうまくいかなかった、と語っていたという。
ブリュッセルで同時に記者会見したフレデリク・ファン・リーウ(Frederic Van Leeuw)検察官によると、同容疑者はその後「武器を撮影し、ブリュッセルのユダヤ人に対する攻撃を実行した、と述べた」という。
モラン検察官によると、ネムシュ容疑者はバスでアムステルダム(Amsterdam)からブリュッセルを経由しフランス入りした。所持品の中には、シリアの過激派イスラム武装勢力「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant、ISIL)」の名と「アラーは偉大なり」との言葉がアラビア語で書かれた「白い布」があったという。
また同容疑者は「戦慣れした一匹狼」で、刑務所から釈放された3週間後の2013年12月31日にシリアに向かい、今年3月に欧州に帰還。シリアではISILの戦闘員と共に戦闘に加わったとみられるという。容疑者は5回にわたる服役の過程で過激なイスラム思想に傾倒していったとされる。
司法筋によると、同容疑者はテロ計画に関連する殺人と殺人未遂の容疑で拘束されている。
5月24日に発生した事件では、ブリュッセルのユダヤ博物館を訪れた男がかばんからカラシニコフ自動小銃を取り出し、ドア越しに発砲。イスラエル人夫妻とフランス人女性が現場で死亡、24歳のベルギー人男性が臨床死状態となっている。(c)AFP/Pauline TALAGRAND, Andrea BAMBINO