【5月29日 AFP】世界の成人約3分の1、子ども約4分の1が過体重であるとする報告書「世界疾病負担研究(Global Burden of Disease StudyGBD)」が、29日の英医学専門誌ランセット(Lancet)に掲載された。報告書によると1980年以降、肥満増加の流れを止めることができた国は一国もないという。

 188か国のデータを分析してまとめられた報告書によると、豊かなライフスタイルと広く関連づけられている過体重の問題は世界中に広がっており、現在、全世界の過体重人口の62%は発展途上国に位置していた。

 報告書によると、過体重または肥満の人口は、33年前の8億5700万人から21億人に増加。そのうち肥満とされた人口は全世界で6億7100万人に上った。肥満指数(BMI)で25以上は過体重、30以上は肥満と判断されている。

 肥満人口が最も多い国は米国で7800万人。2位は中国、3位はインドで、それぞれ4600万人、3000万人だった。4位以降はロシア、ブラジル、メキシコ、エジプト、ドイツ、パキスタン、インドネシアと続いた。

 肥満の人は心臓血管の疾患やがん、糖尿病、変形性関節症、腎臓疾患などにかかりやすい。そのため肥満人口が増えることは医療制度への大きな負担になると報告書は指摘している。過体重による死者は2010年に全世界で340万人と推計されている。

 肥満または過体重の人口の割合は1980年から2013年までに成人で28%、子どもで50%近く増加した。男性では29%から37%に、女性では30%から38%にそれぞれ増えている。

 また、先進国の子どもの4分の1近くと、発展途上国の子どもの13%が過体重または肥満だった。1980年にはそれぞれ16%と8%だった。(c)AFP/Mariette LE ROUX