スノーデン容疑者「母国に帰りたい」、米長官は「裏切り者」と非難
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【5月29日 AFP】米政府の大規模な情報収集活動を暴露しロシアに亡命中のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者(30)は28日に放送された米NBCニュース(NBC News)のインタビューで、「母国に帰りたい」との本心を明かした。一方、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は同容疑者について、「国を裏切った男だ」と批判した。
スノーデン容疑者は、昨年6月に情報を暴露して以降、初となる米国メディアとのインタビューで、米国憲法に反する行為があったために選択の余地はなかったとして、大量の機密情報をリークした自身の行動を擁護した。また、「世界のどこにでも行けるなら、その場所は母国だ」と述べ、「私は初めから、自国を守るために行動していると言ってきた。恩赦や特赦が可能であろうとなかろうと、それは国民が決めることだ」と話した。
一方、米政府高官らは恩赦の可能性を一笑に付している。ケリー長官は米CBSニュース(CBS News)で同容疑者について、「国を裏切った男だ」と批判し「毅然として」米国に戻り、機密情報を漏えいしたスパイ罪で裁判を受けるべきだと述べた。また、「自国に著しい損害を与えたというのが事実だ。嘆かわしく、恥ずべきことだ」と述べた。さらに、NBCに対しては、「もし今日、スノーデン氏が米国に帰りたいなら、今日のフライトを用意する」と話した。
スノーデン容疑者はインタビューで自らについて、ホワイトハウス(White House)が繰り返し伝えていた「米中央情報局(Central Intelligence Agency、CIA)の地位の低い契約職員」ではないと主張。「私は、昔ながらの意味でのスパイとして訓練を受けた。海外で仮の仕事に就き、暮らしていた。本名とは違う名前も与えられていた」と語った。
また、CIAと米国家安全保障局(National Security Agency、NSA)の「技術専門家」として極秘の任務にあたり、米国防情報局(Defense Intelligence Agency、DIA)では教官の立場にもあったと述べていた。
だがスーザン・ライス(Susan Rice)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、スノーデン容疑者は高度の訓練を受けたスパイなのかという米CNNの質問に対し、明確に「ノー」と回答した。補佐官は改めて、「NSAやその他の関連機関で働いていた契約職員だ」と主張。スノーデン容疑者の主張を否定し、帰国して裁判を受けるべきだと強調した。(c)AFP/Jo Biddle