【5月29日 AFP】米アップル(Apple)は28日、音楽配信サービス会社のビーツ・ミュージック(Beats Music)と音響機器メーカーのビーツ・エレクトロニクス(Beats Electronics)を30億ドル(約3000億円)で買収すると発表した。競争の激しい音楽分野での事業拡大を図る。

 アップルにとっては過去最大の企業買収。これにより、オンライン音楽の先駆けである同社が、PandoraSpotifyといった音楽配信サービスでの成功例に対抗するための取り組みが強化される。

 ビーツを創業した著名ミュージシャンのドクター・ドレー(Dr. Dre)氏とジミー・アイボン(Jimmy Iovine)氏は買収に伴い、アップルに移籍する。

 今回の買収計画については、数週間前からうわさが広まっていた。アップルによると、買収は規制当局の認可を経て年内には完了する見通し。

 アナリストらは、この買収により、アップルの音楽配信サービス「iTunes Radio(アイチューンズラジオ)」が利用できるデバイスが増え、さらには「App Store(アップストア)」を他の製品にも広める機会が生まれるとみている。さらに、携帯電話などの配信サービスを通じた広告収入の増加も見込まれる。

 5年前に創業したビーツは音響機器ブランドとして高い人気を得ており、歌手のレディー・ガガ(Lady Gaga)さん、リル・ウェイン(Lil Wayne)さん、ニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)さんはそれぞれ、カスタマイズしたビーツ製ヘッドホンやスピーカーをデザインしている。(c)AFP/Sophie ESTIENNE