【5月29日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は27日、内戦で荒廃したソマリアに対する援助を強化しなければ、今年中に20万人の子どもが餓死する恐れがあると発表した。

 ユニセフの広報担当は「直ちに資金を受け取ることができなければ、1か月以内に基本的な救命医療サービスを中止せざるをえない」と述べている。ユニセフはソマリア国内での医療サービスの7割を提供しているが、今年必要とされる1億1500万ドル(約150億円)のうち、これまでに受け取ることができたのは、わずか10%だという。

 資金不足は深刻で、大飢饉(ききん)から3年も経っていないソマリアが再び食糧危機に舞い戻る恐れがあると、ユニセフは警告。すでにソマリアの5歳未満の子ども約5万人が深刻な栄養不良に陥っており、ユニセフの援助がなければその数は20万人まで膨れ上がる可能性もあるという。

 2011年にアフリカ北東部の「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれる地域で1300万人を襲った大規模な干ばつで、最大の打撃を受けたのはソマリアだ。特に内戦で荒廃したソマリア南部では大部分が飢饉地区として宣言された。国連によると、この飢饉の間にソマリアで亡くなった25万人の半数は子どもたちだった。

 さらなる資金援助がなければ、下痢や肺炎といった症状の治療や抗生物質の配布も停止され、妊娠中の28万人の女性が妊娠健診を受けることができなくなるという。

 4月にはソマリアの66万4495人に食糧を配布した国連世界食糧計画(World Food ProgrammeWFP)も、資金不足により職員と援助の削減を余儀なくされていると訴えている。(c)AFP