【5月29日 AFP】スマートフォン(多機能携帯電話)の盗難対策に、盗んだ犯人の写真撮影を「試みる」機能が登場した。モバイルセキュリティー会社のルックアウト(Lookout)がアプリの新機能として28日から提供を開始した。

 米アップル(Apple)および米グーグル(google)の携帯向け基本ソフト(OS)アンドロイド(Android)搭載の端末向けアプリ「ルックアウト」のプレミアムサービスとして新たに追加されたこの盗難警報機能は、携帯端末の場所を通知するとともに、犯人の写真を撮影するというものだ。

「自分で端末を取り返しに行くために情報を提供しているのではない。警察に捜してもらうための情報だ」とルックアウトのプロダクトマネジャー、グレッグ・ルー(Greg Lou)氏はAFPに説明した。

 ルックアウトのプレミアム版は月額3ドル(約300円)または年額30ドル(約3000円)で利用可能で、データのバックアップや紛失した携帯電話の所在確認などができる。

 新たに加わった機能では、スクリーンロック解除の失敗をはじめ、端末の電源を落とす、SIMカードを抜く、ネットワーク接続を遮断するために端末を「機内モード」にするといった行為に対して警報を発するよう利用者が設定できる。

 アンドロイド端末の場合、警報とともに前面カメラで写真撮影が行われ、端末を盗んだ犯人の撮影を試みる。ただ、この写真撮影機能「セフティー(theftie、シーフ=泥棒のセルフィーという意味の造語)」は、アップル端末ではOS(基本ソフト)が許可しないため利用できないという。

 ルックアウトはまた、盗まれた端末の位置を示した地図を所有者に電子メールで送信する。アンドロイド版の場合は、電子メールに撮影された「セフティー」も添付される。

「電話の盗難は実に大きな問題になってきている」と、ルー氏は語る。

 ルックアウトは2007年に設立された会社で、同社のモバイルセキュリティーアプリ無料版の利用者は全世界で5500万人に上るという。(c)AFP