【5月28日 AFP】米メディア王ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏が所有するオーストラリアの系列紙は28日、英メディアが敷いた「かん口令」はばかげているとして、英国のウィリアム王子(Prince William)の妻キャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)のスカートがめくれヒップがあらわになった写真を掲載した。

 写真はウィリアム王子夫妻が、誕生したばかりのジョージ王子(Prince George)を連れて4月にオーストラリアを訪問した際のもので、ドイツ紙ビルト(Bild)に掲載されたものを翌日、豪紙シドニー・デーリー・テレグラフ(Sydney Daily Telegraph)が掲載した。

 撮影されたのはシドニー(Sydney)西方80キロにある世界遺産ブルーマウンテンズ(Blue Mountains)を訪れた王子夫妻がヘリコプターから降りた直後で、突風によってキャサリン妃のサマードレスがめくれている。

 シドニー・デーリー・テレグラフは論説で、英紙は王室への配慮からこの写真の掲載を一斉拒否したが「そのようなエチケットの規範は時代遅れだ」としている。さらに同紙のソーシャルメディア記者アネット・シャープ(Annette Sharp)氏は「世界中の他のメディアがそれに従うよう期待するのもばかげている。裸と商業主義が手に手を取り合っているような現代ではなおさらだ」と書いている。

 写真を撮影したブルーマウンテンズ在住の住民は最初、何が写っているか気付かずに写真を消去してしまうところだったという。「家に帰ってカメラからメモリーカードを抜いてコンピューターで見て初めて、自分が写したものに気付いた」という。この住民は写真を売ることで得た利益はすべて、山火事の救済基金に寄付すると述べている。昨年オーストラリアで200棟以上の家屋が焼失した山火事の被災地は、ウィリアム王子夫妻も訪れ、被害者たちと会見している。(c)AFP