【5月28日 AFP】国際ハッカー集団アノニマス(Anonymous)の派生グループの創設者で、数百件のサイバー攻撃を指揮した後に米連邦捜査局(FBI)の情報提供者に転身した男が27日、禁錮7月という象徴的な刑を言い渡され、自由の身となった。

Sabu」のスクリーンネームで知られるヘクター・ザビエル・モンセガー(Hector Xavier Monsegur)被告(30)は、2011年に逮捕され、2012年12月に保釈。この間の勾留で禁錮7月の服役を終えたとみなされた。

 モンセガー被告が創設したアノニマスの派生集団「ラルズ・セキュリティー(Lulz Security)」は、米セキュリティー企業「ストラトフォー(Stratfor)」を含む数々の企業や外国政府に対し数百件のサイバー攻撃を繰り返していた。

 当初問われた罪では、数十年の禁錮刑を科される可能性もあったが、米政府は同被告の「並外れた協力」を評価し、定められている最低の量刑からさえも免除するよう求めた。

 検察当局によると、モンセガー被告は逮捕された後にFBIの情報提供者となり、サイバー攻撃300件の完全阻止や一部阻止に協力。未然に防いだ被害の額は数百万ドル(数億円)に上るともみられている。さらに、モンセガー被告が提供した情報は、複数のハッカーの逮捕や有罪判決へとつながったという。(c)AFP