【5月28日 AFP】(一部更新、写真追加)韓国南西部・全羅南道(South Jeolla Province)長城(Janseong)郡にある高齢者向け病院で28日未明、火災が発生し、21人が死亡、7人が負傷した。地元警察は、アルツハイマー病で入院中の男性患者(81)による放火が原因とみている。

 病院に入院していた80人近くの慢性疾患患者の大部分は寝たきり状態だった。脳卒中の患者も含まれ、多くは認知症が進行していた。

 長城郡の警察関係者によると、このアルツハイマー病患者は、2階建ての病棟の上階にある倉庫に火を付けるようなしぐさが防犯カメラの映像に写っていたことから、当局により身柄を拘束された。

 火災は30分ほどで消し止められたが、2階にいた多くの人々は部屋に煙が充満したため逃げることができなかった。

 病院には当時、3人の看護師が当直勤務しており、うち消火器で炎を消し止めようとした女性看護師1人が死亡した。

 2階の病室に入院していた患者34人のうち、20人が死亡。自力で逃げ出すことができた患者は、わずか7人だった。また、別の7人が消防士らによって救出されたものの、煙を吸い込み重傷を負った。

 韓国では、250人近い高校生が犠牲になった先月の旅客船沈没事故以降、死者が出る事故や火災が相次いでいる。(c)AFP