【5月28日 AFP】第97回ジロ・デ・イタリア(2014 Giro d'Italia)は27日、第16ステージ(ポンテ・ディ・レーニョからヴァル・マルテッロ/マルテルタル、139キロメートル)が行われ、モビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)がステージ優勝を飾り、総合首位に立った。

 クライマーのキンタナは、物議を醸したステージを制し、オメガファルマ・クイックステップ(Omega Pharma-Quick Step)の同胞リゴベルト・ウラン(Rigoberto Uran)からピンクジャージー(マリア・ローザ)を奪った。大会2週目にはウランに3分29秒差をつけられていたキンタナだったが、最終週の厳しい山岳コース初日にレースの主導権を握った。

 強い雨と凍えるような気温の中で迎えた今大会の最高点、標高2758メートルのステルヴィオ(Stelvio)峠の下りでキンタナらはウランらのメーン集団を引き離したが、ここでの集団の動きが議論を呼んだ。

 ウランの所属するオメガファルマ・クイックステップなど数チームは、大会主催者によるアナウンスを、悪天候のためステルヴィオ峠の下り坂を「ニュートラライズ(事実上レース無効)」とするものだと解釈した。しかしながらその後、主催者側は道路の先に危険箇所があることを警告するために、赤い旗を持った係員を後ろに乗せたバイクを配置するという発表しただけだと主張した。

 数チームに関しては、主催者側が投稿したツイート(その後削除)でレースが「ニュートラライズ」されたものと解釈したと、レース後に不満を漏らした。

 キンタナは、その下りで「アタックはしなかった」とし、「雨がすごかった。(赤旗は)見えなかったね。危険な曲がりを知らせているのだろうと思っていたよ」とコメントした。

 その後、逃げを打った選手を追いかけたキンタナは、ともにトップの選手を追いかけ2位に入ったガーミン・シャープ(Garmin Sharp)のライダー・ヘシェダル(Ryder Hesjedal、カナダ)に7秒差、ウランには4分11秒差をつけてステージを制した。

 昨年のツール・ド・フランス(2013 Tour de France)で総合2位に入ったキンタナは、ウランに対して1分41秒の差をつけている。(c)AFP