【5月27日 AFP】ナイジェリア軍の司令官は26日、イスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」によって拉致された200人以上の女子生徒の所在を特定したと発表した。拉致被害者の家族らにとっては、かすかな希望の光が差したといえる。

 しかし同国国防軍を率いるアレックス・ベイデー(Alex Badeh)空軍大将は、武力で救出作戦に当たれば現在も拉致されたままとなっている223人の女子生徒らが戦闘に巻き込まれる恐れがあるとして、慎重な態度を示している。

 ボコ・ハラムは先月14日、北東部ボルノ(Borno)州チボク(Chibok)地区の学校から276人の女子生徒を拉致し、世界中から非難が集まった。事件発生から7週間目を迎え、首都アブジャ(Abuja)で記者会見した同氏は、「少女らに関し朗報がある、われわれは彼女らがどこにいるか把握している。だが皆さんに明かすことはできない」と述べた。

 これに先立ち同氏は、政府への圧力を維持しこの事件への注目を薄れさせないという狙いで継続されている抗議行動の一環で、アブジャの国防本部に向けて行進を行ったデモ隊を前に演説を行った。その中で同氏は、作戦は「軍事機密」であるとして詳細に触れることは避けたものの、「われわれは活動を続けている。少女たちを連れ戻す」と言明した。

 ナイジェリアの政府と軍はともに、この事件への対応の遅れを強く批判されており、救出活動に対する海外からの支援を受け入れざるを得なくなった。米国の無人機がナイジェリア北東部と隣国チャドを上空から捜索している他、英・仏・イスラエルの各国は現地に専門家を派遣している。

 ナイジェリア軍は先に、ボコ・ハラムのキャンプをはじめ、武器や弾薬の隠し場所が以前見つかったボルノ州サンビサ(Sambisa)の森林地帯を中心に捜索していると明かしていた。(c)AFP/Ola AWONIYI