法王、イスラエル・パレスチナ両首脳をバチカン招待 和平に尽力
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【5月26日 AFP】中東歴訪中のローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(77)は25日、イスラエルとパレスチナの間の「悪化の一途をたどる容認できない」対立の終結を願い、個人的な計らいで両首脳をバチカンに招待した。
また同法王は同日、当初予定されていなかった、イスラエルがヨルダン川西岸(West Bank)を分断するために設けている分離壁を訪れ、ベツレヘム(Bethlehem)のパレスチナの住民や難民らと言葉を交わし、彼らの日常の暮らしと向き合う機会を持った。
分離壁には複数のスローガンが書かれていたが、法王の注意を引いたのは、「法王、私たちには正義を説く人が必要です」との言葉だった。
群衆を祝福するためにベツレヘムのマンガー広場(Manger Square)を訪れた法王は、約1万人の巡礼者から熱狂的な歓迎を受けた。会場では、地元のキリスト教徒らとともに、欧州やアフリカ、アジアから訪れた熱心な信者らが聖歌や讃美歌を歌った。
エルサレム(Jerusalem)到着した後は、法王はキリスト教の最も神聖な神殿である聖墳墓教会(Church of the Holy Sepulchre)で、東方正教会のコンスタンチノープル総主教バルトロメオス1世(Orthodox Patriarch Bartholomew I)とともに、異例の合同ミサを行った。
旧市街(Old City)に建つ同教会には、埋葬前のイエス・キリスト(Jesus Christ)の遺体が安置されていたとされる塗油の石(Stone of the Anointing)があり、同法王と総主教はその前でひざまづき、ともに祈りを捧げた。
カトリック教と正教の歴史的和解から50年になるのを祝って行われた合同ミサについて、ローマ法王庁は、フランシスコ法王の中東訪問の最大理由と位置づけている。同法王と総主教は、数世紀におよんだ対立のさらなる解消を誓った共同宣言に署名した。
キリスト教団体、ホーリーランド(Holy Land)の代表であるピエールバチスタ・ピザバラ神父は、今週初めにAFPが行った取材で、「今日の正教教会とカトリック教会の間には、聖書に基づく明確な違いはあまりない。むしろ宗教とは関係のない歴史や権力が問題になっている」と指摘している。