【5月24日 AFP】クーデターによって全権を掌握したタイの軍事政権は24日、インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)前首相など軍本部に出頭した前内閣の関係者をはじめとする多数の人物について、向こう1週間をめどに身柄を拘束する方針を発表した。

 22日のクーデターの後、初めて行われた記者会見で陸軍の報道官は、「(政治的な混乱に)どの程度関与したかに応じて、最長で1週間拘束する」と説明。インラック氏らが拘束されている場所については明らかにしなかったものの、被拘束者の身に危険はないと明言した。

 強硬な姿勢を維持しているプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)陸軍司令官は、混乱が続く状況を沈静化するためとして、文民政権を退陣させた。しかし、首都バンコク(Bangkok)ではクーデター後も散発的なデモが起きている。

 一方、国際社会からは陸軍がクーデターに踏み切ったことに対し、厳しい批判の声が上がっている。

 民政回復を訴える各国の呼び掛けを先導してきた米政府は、米国からタイへの援助のうち3分の1に当たる約350万ドル(約3億6000万円)の軍事援助を凍結するという具体的な措置を講じた。

 米国務省のマリー・ハーフ(Marie Harf)副報道官は、米政府は選挙を通じて成立した外国の政権が軍事クーデターによって転覆された場合、その国への援助を凍結するとした国内法に基づき、追加措置も検討中だと述べた。(c)AFP/Anusak KONGLANG