【5月23日 AFP】シリアで22日夜、6月3日に予定されている大統領選挙で再選を狙うバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領派の選挙集会を反体制派のイスラム勢力が砲撃し、少なくとも21人が死亡、30人が負傷した。

 英国を拠点とする非政府組織(NGO)のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、南部ダルアー(Daraa)で行われていた選挙集会でアサド大統領の支持者が集まっていたテントが迫撃砲の攻撃を受けた。同監視団によると死亡した中には子ども1人が含まれていた。今月上旬に選挙運動が開始されて以来、アサド派に対するこうした攻撃は初めて。

 内戦が続く中、アサド政権が強行しようとしている大統領選に反体制派は強く反発している。これまでに出馬が承認されている3人のうち、アサド大統領以外の2人は知名度が低く、アサド氏が勝利し政権3期目(任期7年)に突入するというのが大方の予想だ。

 シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPの取材に対し、今回の攻撃について「大統領選を実施するのに安全な場所などないという、反体制派からの明確なメッセージだ」と語った。6月3日の大統領選は、政権側が掌握している地域のみで行われる予定で、国外に逃れている反体制派やそれを支持する欧米諸国は「茶番」だと切り捨てている。(c)AFP