【5月19日 AFP】(一部更新)反中デモが激化しているベトナムから19日、3500人余りの中国人が船で避難した。領有権争いをめぐって中国に対する抗議デモが相次いで勃発し、中国と関係がある外資系企業が被害に遭う中、ベトナム政府は鎮圧に追われている。

 中国国営新華社(Xinhua)通信によると、同国の救援船、五指山(Wuzhishan)号ら4隻は計3553人の避難者を乗せて、ベトナム中部のブンアン(Vung Ang)港を出発し、中国南部・海口(Haikou)の港へと向かった。

 中国とベトナムはイデオロギー的には近い隣国同士だが、今月初旬、南シナ海(South China Sea)で双方が領有権を主張する海域に中国が石油掘削施設を設置したことから、関係が急速に悪化。前週にはベトナム国内に展開する外資系企業の事務所や工場が、放火や襲撃の標的となり、中国人2人が死亡した他、約140人が負傷した。報道によると、前週末までに3000人を超える中国人が、ベトナムから空路または海路で出国している。(c)AFP