イスラムのスカーフ脱ぎ捨てたイラン女性たち、ネットに写真続々
このニュースをシェア
【5月19日 AFP】厳格なイスラム教国家イランの女性たちが、国の服装規定で公の場での着用を義務付けられている頭髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」を脱ぎ捨てた写真を次々と、交流サイト最大手のフェイスブック(Facebook)に投稿している。イランの女性の自由を求めるオンラインキャンペーンに共感した女性たちだ。
ヒジャブを身に付けるかどうかを女性が自分で決める権利について議論を促すことを目指し、今月3日に立ち上げられたフェイスブック上のキャンペーン「Stealthy Freedoms of Women in Iran(人目を盗んだイラン女性たちの自由)」には、立ち上げからわずか10日で14万6000人のユーザーの「いいね!」を集めた。
イラン政府は、欧米文化がイラン人の生活スタイルに浸透する中でイスラムの価値が低下することを警戒しており、女性に対して公の場では髪を覆い、体の線が出ない服装をするよう厳しく取り締まっている。ヒジャブは1979年のイラン革命以降、イランのイスラム法(シャリーア)解釈の象徴となっている。
キャンペーンサイトには、ヒジャブを外した姿でポーズを取る若い女性たちの写真が100枚以上、投稿された。撮影場所は、田園地帯や郊外、海辺から市街地まで、さまざまだ。
ある女性は人けのない通りの真ん中で、ヒジャブを肩にかけて写真を撮影。「これは、罪を犯している私。こっそりやらなければならないけれど、完璧な安らぎに包まれている」とコメントと共に投稿した。
娘、母、祖母の3人が一緒に写った別の写真には、「3世代が道の片隅で自由を味わっている」「次の世代が最も基本的な権利を行使できる日が来ることを願って」とのコメントが添えられている。
ヒジャブをめぐる論争はこの10年間、強硬なイラン政府当局と自由の幅を広げようと試みる一般イラン女性たちとの間で繰り返されてきた。服装規定を守らない女性に対しては、宗教警察が罰金を課したり口頭警告を行ったりするほか、身柄拘束に至る事例もある。
報道によると、2013年8月に就任したハサン・ロウハニ(Hassan Rowhani)大統領は宗教警察に対し、規制緩和を命じたという。しかし保守層はこれに反発しており、首都テヘラン(Tehran)では16日、ヒジャブ着用を厳格に取り締まるよう政府に求める1000人規模のデモが行われた。(c)AFP