ブラジル刑務所で受刑者ら立てこもり、親族ら122人人質に
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【5月18日 AFP】ブラジル北東部セルジペ(Sergipe)州の州都アラカジュ(Aracaju)にある刑務所で17日、受刑者らが122人を人質に取り、施設内に立てこもる騒ぎが起きた。人質はほぼ全員、面会に訪れていた受刑者の親族。
セルジペ州当局と共同でアドボガード・ジャシント・フィロ(Advogado Jacinto Filho)刑務所の管理・運営にあたる民間企業Reviverの広報担当者がAFPに明らかにしたところによると、人質には同刑務所の看守4人も含まれている。
騒動の原因は不明だが、別の刑務所への移送を希望している受刑者がいることと関係があるかもしれないという。
刑務所にはすでに警察が駆け付け、状況は落ち着いているもよう。Reviverの広報担当者は人質の解放に向けた交渉は18日朝に再開される予定だと説明した。
セルジペ州軍警察のトップ、マウリシオ・イウネス(Mauricio Iunes)氏はニュースサイトG1に対し、「受刑者たちが自分たちの親族に危害を加えるとは思わない」述べた一方、「脅されて施設内にいる」看守らは「人質」だと考えていると述べ、看取らの身の安全に懸念を示した。
受刑者の人権擁護活動を行う非政府組織コネクタス(Conectas)によると、現在ブラジルの刑務所には約54万8000人が収監されており、刑務所の過剰収容を避けるには収容定員を20万7000人増やす必要があるとされている。
ブラジルでは、2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)が来月12日から7月13日までの日程で開催される。開幕が26日後に迫る中で発生した今回の騒動だが、ブラジル国内ではW杯の開催に費用がかかりすぎだと訴える抗議活動が相次いでいる。セルジペ州でW杯の試合が行われる予定はない。(c)AFP