■元業界関係者も批判的

 米男性誌プレイボーイ向けのアダルト映画の元プロデューサーで、2006年まではアダルトサイトのネットワークも運営していたドニー・ポーリング(Donny Pauling)氏は、出演した女性にポルノが悪い影響を与えるのを自分自身の目で見てきたと語った。

 最近、インターネットの人気ポルノ女優であることを明かして全米を騒がせた名門デューク大学(Duke University)の19歳の女子学生は「(ポルノ出演で)力をもらった」と話しているが、「私はそんな話を信じない」とポーリング氏は述べた。「私は500人以上の素人の女性をあの業界に入れたが、後になって感謝されたことなどただの一度もない」

■性暴力の要因にも

 ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)で性的トラウマを専門とするメアリー・アン・レイデン(Mary Anne Layden)氏は、心理療法士としてこれまで取り扱った性暴力のあらゆる事例で、ポルノが要因の1つになっていたと述べた。

 同氏によると、「男性はポルノに初めて触れる年齢が若ければ若いほど、合意に基づかない性行為に走る可能性が高くなる。一方女性は、ポルノを見れば見るほど、合意に基づかない性行為の犠牲者になる確率が高くなる」という。上述のデューク大学の女子学生も、初めてポルノを見たのは12歳の時で、高校のホームパーティーでレイプされたこともあったと、米誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)のインタビューで語っている。

 レイデン氏は、米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)がポルノを公衆衛生上の問題と位置づけて関心を持てば、喫煙対策がもたらしたものと同様の成功をポルノ問題でも収めることができると指摘した。(c)AFP/Robert MACPHERSON