【5月16日 AFP】中国の国家エネルギー局石炭担当部局の副局長の自宅で1億元(約16億円)以上の現金が保管されていたことが発覚し、当局が調査を開始した。現地メディアが15日、同国の新たな汚職スキャンダルとして伝えた。

 中国経済誌「財新(Caixin)」によると、現金が発見されたのは同局で発電所の建設承認などを担当していた魏鵬遠(Wei Pengyuan)副局長の自宅。警察は現金を数えるのに16台の紙幣計算機を使い、途中そのうちの4台が故障したという。

 中国の紙幣の最高額面は100元で、魏副局長は少なくとも100万枚の紙幣を保管していたことになる。これを一山に積み上げれば、約100メートルの高さになるとみられる。

 中国では近年、複数の高官が汚職疑惑で失職しているのに加え、軽微な不正行為の報道が後を絶たない。中国共産党は、政府関係者の醜聞が相次いだことを受けて、イメージ回復を図ろうと腐敗一掃政策を打ち出している。

 その一方で、役人の資産公開を義務付ける法改正を求めた活動家らを弾圧する動きも見せており、今年1月にも1人の活動家が懲役4年を言い渡されている。(c)AFP