【5月16日 AFP】米女優スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)さんが14日、自身に酷似した人物が登場する小説を書いたフランス人作家を相手取り、損害賠償を求める訴えを起こした。

 ヨハンソンさんは、人気小説「La premiere chose qu'on regarde」(私たちが最初に見るもの)を著したグレゴワール・ドラクール(Gregoire Delacourt)氏と、出版元のJCラッツ(JC Lattes)に5万ユーロ(約700万円)の損害賠償を求めている。

 この小説に登場するヒロイン、ジャニーヌ・フーカンプレ(Janine Foucamprez)は、ヨハンソンさんとうり二つの人物として描かれており、物語の前半には、カナダ人俳優ライアン・ゴズリング(Ryan Gosling)さんの「改良版」として描かれる自動車整備士の主人公が、玄関先に現れたジャニーヌを見てヨハンソンさんと勘違いする場面もある。

 小説は2013年3月に出版されて以来、10万部を売り上げるベストセラーとなったが、ヨハンソンさんは小説の成功は自身のイメージや人気を利用したためだと主張し、翻訳版の出版や映画化の差し止めも求めている。

 ヨハンソンさんの弁護士は、小説には「現実にはまったく存在しない」恋愛模様が描かれているとして、「ゴシップ紙と同じ」と批判。「創造の自由」には、本人の了解を得ずにヨハンソンさんの知的所有権を使用できる権利は含まれないと主張している。

 これに対しドラクール氏と出版社側の弁護士は、著作はプライバシーを一切侵害しておらず、小説は「気まぐれ」や「戯れ」を連想させているだけで、恋愛関係は扱っていないと主張。さらに、ヨハンソンさんがこれほどの「大騒動」を起こすとドラクール氏が知っていたなら、小説では別の人物を選んでいただろうと語った。

 判決は7月2日に下される予定。(c)AFP