【5月14日 AFP】過去最悪の死者16人という被害を出した前月18日の雪崩事故を受け、シェルパ(ネパール人登山ガイド)らが今シーズンの登山中止を決定した世界最高峰エベレスト(Everest)で、米国と中国の登山家2人が登頂を再開した。政府高官が13日、明らかにした。

 雪崩事故の発生後、初めて山頂を目指すとみられる米中の登山家は、異例の選択としてヘリコプターをチャーター。雪崩が発生したクンブ(Khumbu)氷瀑(ひょうばく)付近を避けて、ベースキャンプから第2キャンプまでは空路で移動する。

 シェルパ6人を同行させている中国人の登山家はエベレストの山頂を、単独で挑戦している米国人の登山家はエベレストに連なるローツェ(Lhotse)の山頂に向かっている。それぞれの山頂へは、第3キャンプまで同じルートを使う。

 観光省のディペンドラ・パウデル(Dipendra Paudel)氏はAFPに対し「登山家2人が現在、第2キャンプから山頂を目指している」と述べ「今シーズンの遠征継続に関心を示している登山隊は他にもいる」と明らかにした。

 登山家の大半は雪崩の発生後、最も登りやすく利用が多いネパール側のルートを使う登頂計画を断念した。しかし、エベレスト登山は貧しいネパールにとって主要な収入源であるため、政府は今シーズンの登山中止を正式に宣言せず、登山家たちに遠征の継続を奨励している。(c)AFP/Ammu KANNAMPILLY