【5月14日 AFP】米テキサス(Texas)州の控訴裁判所は13日、殺人罪で死刑が確定した男について、数時間後に予定されていた刑執行の停止を命じた。この刑執行は、先月に全米規模の議論を巻き起こしたオクラホマ(Oklahoma)州での薬物注射による処刑の失敗以降、初めての死刑執行となる予定だった。

 ロバート・ジェームズ・キャンベル(Robert James Campbell)死刑囚の刑の執行は13日午後6時(日本時間14日午前8時)に行われる予定だった。しかし、テキサス州控訴裁はその直前になり、キャンベル死刑囚に知的障害がある可能性について再度調べる必要があるとの判断を下した。

 キャンベル死刑囚は1991年に起きたアレクサンドラ・レンドン(Alexandra Rendon)さん殺害事件の裁判で死刑が確定していた。裁判所の文書によれば、当時18歳になったばかりだった同死刑囚は友人と共にレンドンさんをガソリンスタンドから人気のない場所に連れて行き、背後から銃で撃ち殺したとされる。

 テキサス州と隣接するオクラホマ州では先月29日、殺人と強姦(ごうかん)罪により死刑が確定したクレイトン・ロケット(Clayton Lockett)死刑囚が、本来は注射から絶命まで10分余りしかかからないはずの刑執行で、43分にわたりもがき苦しんだ末に心臓発作で死亡していた。キャンベル死刑囚は、その後初めて死刑が執行される人物となる予定だった。

 同じく薬物注射で行われる予定だった自身の刑執行について、キャンベル死刑囚は、クレイトン死刑囚と同様の痛みに苦むことになる可能性があるとして延期を求めていた。これを理由として同死刑囚の弁護士が12日に行った申し立ては却下されたものの、控訴裁はキャンベル死刑囚の精神健康問題を理由に死刑執行停止を命じた。(c)AFP/Chantal VALERY