【5月14日 AFP】シリア問題に関する国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)の合同特別代表、ラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)氏(80)は13日 、米ニューヨーク(New York)の国連本部で記者会見し、今月末で辞任する意向を表明した。

 ブラヒミ氏の辞任は、既にこう着状態にあるシリア和平協議に対するさらなる打撃となった。同氏は「現在のような悲惨な状況にあるシリアを後に残し、辞任することを非常に悲しく思う」と述べた。

 2012年8月に前任者から合同代表の任務を引き継いだブラヒミ氏は、欧米各国の支援を受け、今年初めにスイス・ジュネーブ(Geneva)でシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領と反体制派の和平協議を仲介。政府と現政権への激しい抵抗を続ける反体制派の双方に対し、和平の実現に向けた協議を継続するよう説得を続けた。しかし、相互の批判に終始した交渉はわずか2回目の協議で決裂した。

 開始から4年目を迎えたシリア内戦では、これまでに15万人が死亡し、数百万人が難民や国内避難民となったと推定されている。

 国連の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長はブラヒミ氏の後任の任命を約束した上で、「ブラヒミ氏はこれまで、(解決の)公算がほぼゼロの問題に取り組んできた」と指摘。和平が実現しない原因として、「シリアと中東地域、国際社会の紛争解決に向けての姿勢は、救いようがないほど分裂している」と批判した。(c)AFP/Andre Viollaz, and Nicolas Revise in Washington