ブブゼラはもう古い?ブラジルでは「悪魔の笛」を吹こう
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【6月1日 AFP】ブブゼラはもうお役御免だ。――W杯ブラジル大会(2014 World Cup)を前に、ベルギー生まれの小さなラッパ、通称「ディアボリカ(diabolica)」が、ブブゼラに代わる鳴り物として欧州を中心に売り上げを加速させている。
製作した若手デザイナーによると、ディアボリカには「各国から注文が殺到」しており、6月12日の大会開幕までに100万本の販売が見込まれているという。
2010年の南アフリカ大会(2010 World Cup)で、ブーンという騒音が世界中で賛否両論を呼んだブブゼラだが、プラスチックでかさばるブブゼラと違い、12センチのディアボリカは持ち運びにやさしく、音もより耳にやさしいと製作者は主張している。
その製作者の1人、31歳のダビド・ドス・サントス(David dos Santos)さんは、「ブブゼラのブーンという音は、テレビ番組のプロデューサーにとっては悪夢以外の何ものでもありませんでした。しかし、ディアボリカはそれとはまったく違います」と語る。
ドス・サントスさんと、共作者である26歳のファビオ・ラヴァージェ(Fabio Lavalle)さんによれば、ブブゼラとの違いを生み出した「秘訣」については門外不出だそうだ。
ベルギーではスタジアムでのブブゼラ、また本来は船舶の安全のために使う号笛「フォグホーン」の使用が安全上の理由から禁止されており、それもあってか、ディアボリカはすでに大ヒットを飛ばしている。
ドス・サントスさんも「ここまでの大当たりはまったくの予想外でした」と語る。
ベルギー代表の愛称が「赤い悪魔」であることから、「悪魔の笛」と名付けられたこのディアボリカは、2013年末までに約30万本が売れた。現在は需要に追いつくため、毎日1万5000本分の部品がマドリード(Madrid)の工場からベルギー南西部の都市モンス(Mons)に届き、従業員は組み立てと梱包作業に追われている状況だ。
ドス・サントスさんは、「実はレアル・マドリード(Real Madrid)が好きなスペイン人の友達がいるんですが、ディアボリカのアイデアを思いついたのは彼なんです。別の友達が、フォグホーンを持っていたせいでスタジアムへの入場を拒否されたのがきっかけでした」と明かしている。
ディアボリカの特許を取得しているドス・サントスさんは、「彼は鳥の鳴き声や、いろいろな皮膜の振動の仕方を研究して、何千種類も試した末に、これだというものを見つけました。どういう膜なのかは秘密ですけどね」と語った。