女装歌手優勝で怒り爆発、ロシア政治家らがユーロビジョン批判
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【5月12日 AFP】欧州国別対抗歌謡祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト(Eurovision Song Contest)」でオーストリア代表のひげを生やしたドラァグクイーン(女装パフォーマー)、コンチータ・ウルスト(Conchita Wurst)さん(25)が優勝したことについて、同性愛に反対するロシアの政治家や著名人は11日、怒りをあらわに批判した。
ドミトリー・ロゴジン(Dmitry Rogozin)副首相は、マイクロブログのツイッター(Twitter)で、ユーロビジョンの結果は「欧州統合を支持する人々に、『ひげを生やした小娘』という欧州の未来の姿を示した」とつぶやいた。
ロシア自由民主党のウラジーミル・ジリノフスキー(Vladimir Zhirinovsky)党首は、国営テレビのロシア第1チャンネル(Rossiya 1)に対し、「われわれの怒りに限界はない。欧州の終わりだ。すっかり野放しになってしまった。今や男も女もいない。いるのは『あれ』だ」と語った。
過激な発言で知られる国家主義者の同党首はさらに、「50年前にソ連軍はオーストリアを占領したが、われわれはオーストリアを解放するという間違いを犯した。とどまるべきだった」と述べた。
ロシアは昨年、論争の的となっていた「同性愛のプロパガンダ(宣伝)行為」禁止法を成立させ、欧州各国の首脳や人権活動家らから非難された。同国はまた、外国の同性愛カップルがロシア人の子どもを養子に迎えることも禁止している。
ロシアの人気ヒップホップ歌手、ティマティ(Timati)さんは、自身のインスタグラム(Instagram)のアカウントに投稿し、ウルストさんの優勝について、「現代社会の精神病」による結果だとし、「男同士がキスをしたり、染めたひげを生やした女性が歩いたりしているのがなぜ普通だと言えるのかを、自分の子どもに説明したくない」とコメントした。