リビア沖で難民船沈没、36人死亡 42人不明
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【5月12日 AFP】リビア沖で6日、欧州へ向かう難民を乗せた船が沈没し、少なくとも36人が死亡、42人が行方不明となっている。リビア海軍関係者が11日、AFPの取材に対し明らかにした。
リビア海軍のアイユーブ・カシーム(Ayub Kassem)大佐によると、船が沈没したのは首都トリポリ(Tripoli)の東50キロにあるGarabulliの沖合4キロの海上。船が海岸を離れて間もなく、乗船者たちが押し合ったために船体が崩壊したという。
同大佐は「さまざまな国籍の52人を救助することができた。これまでに36人の遺体を収容し、うち24人は今日(11日)収容された」と述べ、死者には妊婦も1人含まれていたと付け加えた。
同大佐によると、生存者らは、船には130人が乗っており、ブルキナファソ、カメルーン、ガンビア、マリ、セネガルからの人々が含まれていたと話している。
国際移住機関(International Organisation for Migration、IOM)駐リビア事務所のオスマン・ベルベイシ(Othman Belbeisi)所長は11日、「難民の生命を守る早急の解決策」を呼びかけた。
リビアのサラハ・マゼク(Salah Mazek)暫定内相は10日、記者団に対し、欧州連合(EU)が難民問題解決に向けた援助をしない限り、リビア政府は欧州への不法移住を目指す人たちを「手助けする」こともできると発言。主にサハラ以南のアフリカ諸国出身の何千人もの人々がリビアで疫病と犯罪、麻薬を広げているとした上で、「リビアは代償を支払ってきた。これからは欧州が払う番だ」と述べた。
一方、翌11日に出された政府声明では、この発言のトーンダウンが試みられ、リビア政府は不法移民問題の解決に向けた闘いを続け、「すべての関係国、特にイタリアの協力を継続して移民流入を制限する」と強調した。(c)AFP