【5月10日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は9日、ナイジェリアの政府軍が、イスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」が女子生徒ら200人以上を拉致した学校への襲撃について事前に情報を得ていたにもかかわらず、5時間近くも行動を起こさなかったと発表した。軍は、この情報を否定している。

 アムネスティ・インターナショナルによると、4月14日の午後7時以降、軍司令官たちにはボルノ(Borno)州のチボク(Chibok)への襲撃が差し迫っているとの情報が複数回伝えられていた。

 2人の軍高官は、兵士たちは自分たちより装備の優れた武装集団に立ち向かうことをためらったため、攻撃を食い止めるのに十分な部隊を配備することができなかったと述べたとされる。

 結果的に、最大200人のボコ・ハラム戦闘員が、町に駐留している少数の警察官と兵士との戦闘の末、午後11時45分ごろに276人の女子生徒を拉致する事態となった。

 アムネスティ・インターナショナルのアフリカ担当者のNetsanet Belay氏は、この事態は「民間人保護の義務に対するナイジェリア政府の目に余る怠慢だ」と述べ、未だに住民は攻撃に対して無防備のままだと付け加えた。(c)AFP/Phil HAZLEWOOD