反政府デモとの衝突で警官撃たれ死亡、ベネズエラ
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【5月9日 AFP】南米ベネズエラの首都カラカス(Caracas)で8日、未明に反政府デモの拠点を急襲した警察とデモ隊が衝突し、警察官1人が首を撃たれ死亡した。警察によると、別の警察官1人も撃たれた他、2人が鈍器で殴られるなどして負傷した。警察はこの急襲で反政府デモの拠点を排除し、243人を拘束した。
ベネズエラでは2月以降、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の左派政権に対して学生や野党支持者が反政府デモを続けているが、これまでに少なくとも42人が死亡し、700人以上の負傷者が出ている。4月に入り、抗議行動は首都カラカスでの占拠デモの複数の拠点に集中するようになっている。
8日の排除の対象となった拠点は中心的な存在で、国連開発計画(United Nations Development Program、UNDP)の事務所の正面に数百のテントが設置され、6車線の幹線道路の半分を占拠していた。
ミゲル・ロドリゲス・トレス(Miguel Rodriguez Torres)内相は、占拠デモの拠点が「テロ行為を行うために、より暴力的な集団によって使われている」と説明し、薬物や武器、爆発物、迫撃砲、手投げ弾、催涙弾など「治安部隊と日常的に衝突する際に使われるであろうあらゆるもの」を押収したと発表した。
一方、学生側のリーダー、フアン・レケセンス(Juan Requesens)氏は「学生たちは権利を求める闘いを続ける」と述べ、デモは屈しないと宣言した。
この日のデモ拠点排除の数時間後には、逮捕された野党「民衆の意志(Voluntad Popular)」の指導者、レオポルド・ロペス(Leopoldo Lopez)氏の公判が予定されていたが延期された。同党によれば、ロペス氏はラモ・ベルデ(Ramo Verde)の軍刑務所へ再び移送された。新たな公判の日取りは発表されていない。(c)AFP