【5月9日 AFP】ウクライナ東部の親ロシア派勢力は8日、今月11日に予定している分離独立の是非を問う住民投票について、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が緊張緩和を狙って前日呼び掛けた延期要請を退け、投票を断固実施すると述べた。

 親露派が一方的に宣言した「ドネツク人民共和国」の指導者デニス・プシーリン(Denis Pushilin)氏は8日、報道陣に対し「住民投票は5月11日に行われる」と語った。

 ドネツクで予定されている住民投票では「ドネツク人民共和国の独立宣言を支持するか否か」という一点のみが問われる。

 スラビャンスク(Slavyansk)やルガンスク(Lugansk)など親露派が掌握しているウクライナ東部の他の都市でも、親ロシア派が住民投票の実施を宣言している。

 プーチン露大統領が7日に住民投票の延期をウクライナの親露派に呼び掛けたのは意外な展開だったが、これを親露派が拒絶したことで、ウクライナ危機の緊張が緩和される望みは絶たれた。

 一方、ウクライナ暫定政権が5月25日に予定している大統領選についても、プーチン氏は「ばかげている」としていた態度を一変させて支持を表明し、周囲を驚かせている。しかしロシアは8日に弾道ミサイル発射試験を含む軍事演習を実施した他、ウクライナに対し、天然ガス代金の前払いを要求するなど冷戦時代を想起させる緊張は高まる一方だ。(c)AFP/Max DELANY with Dmitry ZAKS in Moscow