ナイジェリア少女拉致、身元確認にDNA鑑定を
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【5月7日 AFP】ナイジェリアでイスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」に拉致され、近隣国に連れ去られた可能性のある200人以上の少女たちの身元を確認するために、米国とスペインの科学者らが6日、DNA鑑定技術を無償提供するとAFPに語った。
この技術は、人身売買の防止と家族再会を目指して10年前から活動する「DNAプロキッズ(DNA-Prokids)」に協力する米国の北テキサス大学(University of North Texas)人物同定センターが開発した「M-FISys(エンファシス)」と呼ばれるソフトウエアシステムを用いてる。
親族の唾液または血液からDNAサンプルを採取しておき、拉致された少女と疑われる人物と出会った際に少女の唾液または血液を採取して照合する仕組み。DNA情報を暗号化するため、国境をまたいだ事件でも潜在的な外交問題を回避しやすい。またナイジェリアにDNA鑑定を行う設備がない場合にも、サンプル採取用の道具一式が提供され、採取したサンプルを米国またはスペインの研究室に送り鑑定を行うことができる。
米国務省は、4月14日にチボク(Chibok)から拉致された少女たちが近隣諸国に連れ去られた可能性があると発表。地元指導者らも、16~18歳の少女たちが、カメルーンやチャドのイスラム武装勢力の戦闘員たちに花嫁として売られたと述べていた。もしこれらが事実であれば、身元確認を行う上で重要な(サンプル採取などの)部分は、連れ去られた地域の住民などの協力が鍵となるかもしれない。
「われわれは完全に無償で活動する」「これは明確に人道的活動だ」と、人物同定センターを率いるアーサー・アイゼンバーグ(Arthur Eisenberg)氏は語った。
M-FISysは、2001年9月11日の米同時多発テロの後、ニューヨーク(New York)の世界貿易センター(World Trade Center)ビル倒壊現場から収容された2万におよぶ遺体の一部を、2700人以上の犠牲者と照合するために開発された。同時多発テロ以前には同様のシステムは存在していなかった。(c)AFP/Kerry SHERIDAN