【5月5日 AFP】1980年代にオーストラリア海軍基地の訓練兵だった若者たち220人が、性的虐待など深刻な暴力の被害を受けていたとして同国議会で取り上げられることが5日の報道で明らかになった。

 現地報道によれば、軍における虐待などに関する調査に対し2400件もの苦情が寄せられたオーストラリア軍は、中でも1980年代のウエスタンオーストラリア(Western Australia)州で生じた同国海軍の水路測量艦ルーウィン(HMAS Leeuwin)での訓練兵に対する扱いが深刻すぎるとして、個別の報告の提出を認めた。

 また首都キャンベラ(Canberra)にある豪国防大学(Australian Defence Force Academy)の若い士官候補生70人以上が、性的なものを含めた虐待を受けたと主張している件についても別の報告書が作成される見通しだ。

 豪政府は、1950年代から現在に至るまでに軍で行われたとされる性的虐待を含む暴力数百件に関する調査の結果、明らかになった被害の申し立てを個別に判断する独立した特別委員会を2012年に設置した。同委員会には227人からルーウィン号での虐待を疑わせる訴えが寄せられ、その中には内部で非公式に確立していた上下関係に基づき行われていた若い士官候補生に対する虐待疑惑が浮かび上がった。これまでの初期調査の段階ですでに15~16歳の海軍の新兵が身体的暴力や性的嫌がらせ、性的暴力などを受けていたことが報告されている。(c)AFP