■家庭で試さないように

 研究チームは、認知機能に対して若い血液の効果が認められることを示したのは今回の研究が初めてだと主張している。これまでの他の研究では、成体幹細胞での若返り効果が証明されていた。

 ただビジェダ氏は、自分で輸血を試ししてみたくなった人に対して、人間への拡張については「管理された」方法で行うべきだと強調し、「1回にどの程度の分量が必要で、どのような投薬計画が必要になるかなど、まだ明らかになっていないことがある」と指摘している。

「潜在的なリスクについての研究はまだ進行中であり、人間へと研究範囲を拡大する際には、考慮すべき事項の1つとなる」(ビジェダ氏)

 老化は、進行性の認知機能の低下と脳の物理的変化に関連している。人間とマウスでは、海馬は特に老化の影響を受けやすい部位だ。

「(今後、)高齢者の割合が増加することを考えると、老化のプロセスを防ぐ、あるいは妨げることで、認知機能の完全性を維持するための手段を特定することが重要になる」と論文は述べている。(c)AFP