ガラパゴス諸島を象徴するアオアシカツオドリが激減
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【5月2日 AFP】南米エクアドルのガラパゴス諸島(Galapagos Islands)を象徴する鳥の一種、アオアシカツオドリは、餌となる魚の乱獲が原因で、個体数が急激に減少しているという。同諸島の環境保護当局が4月30日、明らかにした。
エクアドル海岸沖約1000キロにあるガラパゴス国立公園管理局(Galapagos National Park Service)のビクトル・カリオン(Victor Carrion)局長は「この個体群に何が起きているのか、極めて懸念している」と語る。
カナダの学術誌「Avian Conservation and Ecology(鳥類の保護と生態学)」に発表された、同諸島の各環境保護当局から一部資金供与を受けて行われた研究によると、アオアシカツオドリの個体数は、1960年の2万羽から、2012年には成鳥約6400羽までに減少したという。
また同研究によると、2011年から2013年までの期間に子どもをもうけた成鳥のつがいはほとんど存在せず、同研究が行われた期間中には、幼鳥はほとんど観察されなかったという。
チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)が進化論を導き出した研究を行ったガラパゴス諸島の絵はがきを飾る鳥、アオアシカツオドリの個体数減少の最も可能性が高い原因は、主要な食料源であるイワシの不足だ。
イワシが姿を消しつつある原因は、ガラパゴスにイワシを運ぶ「海流の上流にあたるペルー北部での乱獲」だとカリオン局長は指摘する。
だが同局長は、アオアシカツオドリが絶滅危惧種にならないよう保護対策を行うことで、この減少傾向を逆転できるとの自信を示した。(c)AFP