サハラ砂漠に移民300人置き去り、10人死亡
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【5月1日 AFP】灼熱の北アフリカ・サハラ砂漠で、不法移民の輸送請負業者に置き去りにされた約300人の移民が保護され、うち10人の死亡が確認された。生存者も衰弱しているという。スーダン当局が4月30日に明らかにした。
スーダン外務省の高官が国営スーダン通信(SUNA)に語ったところによると、移民たちはスーダンとリビアの国境付近に広がる砂漠に放置されていた。請負業者が移民たちに車から降りるよう命じたという。保護された移民たちは「皆、飢え乾いている」という。
移民の密入国を請け負う業者が不法移民から金を受け取った後で砂漠に遺棄する事例は、これまでにも発生している。この外務省高官は、「金のことしか考えていない」と業者を批判した。死亡したのはスーダン人6人、エチオピア人2人、エリトリア人1人、国籍不明1人という。
一方、スーダン軍の報道官はAFPの取材に対し、スーダン人の死者は9人だと語った。置き去りにされた移民たちは計319人で、国籍はスーダンの他エチオピア、エリトリア、パキスタン、バングラデシュなどさまざま。リビアに向かっていた不法移民だという。
スーダン国防省の声明によれば、移民たちはスーダン軍とリビア軍の合同作戦で救出された。
スーダン東部からエジプト・シナイ半島(Sinai Peninsula)にかけての砂漠地帯は、当局の監視の目が緩いことから、より良い生活を求める不法移民の主要な抜け道となっている。イスラエルや欧州各国を目指して砂漠を渡る不法移民は、エリトリア人だけでも毎年数千人に上る。(c)AFP/Ian Timberlake