【4月30日 AFP】悪化するウクライナ情勢をめぐり米国主導の追加制裁を科されたロシアは29日、追加制裁により国際宇宙ステーション(International Space StationISS)で任務に当たる米国の宇宙飛行士らに悪影響が及ぶ可能性を警告した。

 ロシアは、米国と欧州連合(EU)、日本が前日の28日に追加制裁を発表したことを受け、米政府が冷戦時代の「鉄のカーテン(Iron Curtain)」政策に打って出ようとしていると指摘し、これでウクライナ危機は「袋小路」に向かおうとしているとして、激しく反発。特に同国向けに輸出されるハイテク製品が制裁対象に含まれたことに激怒し、報復をちらつかせた。

 ドミトリー・ロゴジン(Dmitry Rogozin)副首相は、3月にロシアが自国編入を承認したウクライナ南部クリミア(Crimea)半島への訪問中に露インタファクス(Interfax)通信に対し、「もし彼ら(米国)の目的がロシアのロケット製造部門に打撃を与えることにあるのなら、必然的にISSにいる彼らの宇宙飛行士らに悪影響が及ぶことになる」と発言。さらに「制裁というものは常にブーメランで、いずれは投げた本人の方へ戻ってきて痛い目に合う」と述べた。

 ISSは、ロシアに加え、日本と米国、欧州、カナダが共同運営している。2011年に米航空宇宙局(NASA)がスペースシャトルを退役させて以降、各国の宇宙飛行士らがISSと地球とを行き来する際にはロシア有人宇宙船「ソユーズ(Soyuz)」に依存している。