クリッパーズ、オーナーの人種差別発言でスポンサーが撤退
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【4月29日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)、ロサンゼルス・クリッパーズ(Los Angeles Clippers)のオーナー、ドナルド・スターリング(Donald Sterling)氏が人種差別発言をしたことを受け、チームのスポンサーが次々と撤退するなど、同氏への包囲網が厚みを増している。
NBAは29日にも声明を発表し、米経済誌フォーブス(Forbes Magazine)に5億7500万ドル(約598億円)と試算されたチームを保有するスターリング氏に対して行った調査を報告をすると述べた。
スターリング氏によるものとされている問題発言を録音したテープが、芸能サイトTMZで公開されて以来、1981年に1200万ドルでクリッパーズを買収した80歳の不動産王に対する批判は大きくなっている。
現在、ゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)とのプレーオフ1回戦を戦っているクリッパーズは、試合が行われた27日のコート上で無言の抗議を示し、著名なNBA関係者もスターリング氏に対する厳格な処置をリーグに求めている。
スターリング氏とは疎遠の仲となっている妻のロシェル(Rochelle)さんも28日、テープの声は確かに夫のものであると発言し、同氏に対する厳しい態度を示した。
■スポンサーも迅速に対応
主要スポンサーである米カジノ経営のチュマッシュ・カジノ・リゾート(Chumash Casino Resort)と中古車販売業のカーマックス(CarMax)は28日、クリッパーズとの契約を解除した。
カーマックス社は、スターリング氏の発言について「完全に受け入れがたい」とコメントし、さらに声明で、「これらの見解は、すべての個人を尊重するカーマックス社の文化と真っ向から対立するものである」と述べた。
米国先住民が経営するチュマッシュ・カジノは、米スポーツ専門チャンネルESPNに対して、「どのようなグループに対しても悪意や危害を生じさせるような、いかなる発言も無視できない。わが社はクリッパーズのスポンサーから撤退する」と語った。
米格安航空会社ヴァージン・アメリカ(Virgin America)の代理人は、TMZに対して、「ファンや選手の応援は続けるが、ヴァージン・アメリカはロサンゼルス・クリッパーズのスポンサー契約を終了することを決断した」と述べた。