【4月28日 AFP】シンガポール健康科学庁(Health Sciences AuthorityHSA)がこのほど明らかにしたところによると、電子たばこの販売と密輸に多額の罰金が科せられている同国で、国民の間に電子たばこの禁止措置に逆行するような動向がみられるという。

 HSAによると、同庁は2013年、電子たばこ関連機器5356個を押収した。この数は2012年の押収数の3倍近くに及ぶという。2009年に押収された電子たばこは10個程度だった。

 電子たばこは、ニコチンを含む蒸気を発生させて吸引する電池式の機器。蒸気にはさまざまな種類の風味があるが、本物のたばこに含まれる有毒化学物質の多くは取り除かれている。

 HSAは、電子たばこが喫煙者の禁煙を助けることを示す決定的な科学的証拠は存在しないと指摘し、さらに「保健当局も電子たばこが喫煙習慣を身につける入り口になる恐れがある」ことを懸念していると付け加えた。

 HSAによると、同庁は国内で行われている電子たばこの違法取引を監視するために、ウェブ上のサイトや掲示板を巡回しているという。

 HSAによると、2011年以降、電子たばこの販売で8人が起訴されたという。

 電子たばこの輸入、配布または販売は、1万シンガポールドル(約81万円)以下の罰金が科せられる。

 シンガポールは、本物のたばこの販売価格が最も高い都市の1つで、マルボロ(Marlboro)1箱は約13シンガポールドル(約1060円)で販売されている。(c)AFP