【4月28日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)、ロサンゼルス・クリッパーズ(Los Angeles Clippers)のドナルド・スターリング(Donald Sterling)オーナーが人種差別発言をした問題で、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が27日、非難する声明を出し、同オーナーに対する批判の声が高まっている。

 クリッパーズは同日、敵地オークランド(Oakland)でゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)とのプレーオフ1回戦の第4戦に臨んだが、80歳のスターリング氏の暴言が録音されたテープが公開されたことで、試合は暗い影に覆われた。

 芸能サイトTMZで公開された録音テープには、スターリング氏がV・スティビアーノ(V. Stiviano)さんとだけ明かされた交際相手に対し、この女性が友人の黒人男性との写真をインスタグラム(Instagram)に投稿したことを非難する声が入っている。

 TNZが公開している10分近くに及ぶ4月9日の録音テープによれば、スターリング氏は「黒人と一緒の写真を公開するなんて、ひどく不愉快だ。その必要があるのか?」と述べていると伝えられている。

「(黒人と)寝るのも、彼らを連れ込むのも君の勝手だし、何でも好きにすればいい。だが私のささやかな頼みは、そのことを見せびらかしたり、私のチームの試合に連れてくるのはやめてほしいということだ」

 アフリカ系米国人として初の米国大統領となり、自身もバスケットボールをプレーする熱心なファンとしても知られるオバマ大統領は、アジア歴訪の途中で、「思慮に欠け、極めて攻撃的」な内容だと非難した。

 今回の問題発言は、同日多くの全米ネットワークニュースでトップの話題に取り上げられ、伝説のNBA選手やコメンテーターがこぞって、スターリング氏が話したとされるコメントに対して非難を繰り返している。

 元ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angles Lakers)の名選手マジック・ジョンソン(Magic Johnson)氏は、このスキャンダルが発覚した26日に二度とクリッパーズの試合を観戦しないと誓い、米テレビ局ABCのNBAの番組で、バスケットボール界において不動産王であるスターリング氏の居場所はないと怒りをあらわにした。

 ジョンソン氏は、「もはや彼にチームを保有する資格はない」とコメントし、「アフリカ系米国人も彼の不動産を借り、彼のチームの試合を観戦し、彼のチームでプレーし、指揮を執っているのだから、『もうチームのオーナーでいたくない』と立ち上がって言うべきだ」と続けた。

「みんなにとって最悪であり、米国にとって由々しきことだ。私は今回の事に本当に腹を立てている」

 ジョンソン氏と並ぶ偉大な元NBA選手で、シャーロット・ボブキャッツ(Charlotte Bobcats)のオーナーでもあるマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏も、「同じNBAチームのオーナーが、あれほど不快で攻撃的な見解を持っていることに吐き気を禁じえない」と述べた。

「元選手として、私は完全に憤っている」

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