【4月27日 AFP】アジア4か国を歴訪中のバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は26日、3番目の訪問先であるマレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)に到着した。現職の米大統領としては、およそ50年ぶりの訪問となる。米国は成長が著しいアジア太平洋地域への「リバランス(再均衡)」政策を掲げており、その方針を改めて示すのが今回の各国歴訪の目的。

 初めてマレーシアを訪れたオバマ大統領は到着後にまず、3月8日に乗客乗員239人を乗せたまま消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便の捜索について、今後も協力を継続する意向を示した。マレーシア当局は捜索に関する対応について、厳しい批判にさらされている。

 マレーシアを東南アジア地域の中心的プレーヤーと捉える米国は、両国関係の強化を目指しており、オバマ大統領とナジブ・ラザク(Najib Razak)首相との会談では主に、安全保障面での協力強化と情報共有の促進などが話し合われる予定だ。反米姿勢を掲げたマハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)元首相率いる長期政権の後、マレーシアと米国の両国関係は大幅に改善している。

 また、マレーシアは南シナ海(South China Sea)の領有権をめぐって中国と対立している国の1つであり、26日に同国紙に掲載されたインタビューでオバマ大統領は、安全保障面での協力強化は「重要な航路での航行の自由を保証するための1つの方法」、「各国は同じ規則に従って行動している」などと述べ、中国をけん制した。

 アブドル・ハリム・ムアザム・シャー(Abdul Halim Mu'adzam Shah)国王も出席した公式晩さん会でオバマ大統領は、「国は異なるが、(両国の)国民は同じ希望や願望を持っている。民族的、宗教的多様性から、両国の強さを引き出すことができる」と語った。(c)AFP/Stephen COLLINSON