ネットの父、「米国がネットを管理」の通説を否定 国際会議
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【4月28日 AFP】インターネットが米国の管理下にあるという話は「作り話」だと「インターネットの父」の1人と言われるビントン・サーフ(Vinton Cerf)氏がAFPの取材で語った──。
インターネットの統治をめぐる会議「ネットムンディアル(NetMundial)」に出席するためブラジルのサンパウロ(Sao Paulo)を訪れていたサーフ氏は、「米国はインターネットを管理していない。それは作り話だ」とAFPに語った。
現在は米グーグル(Google)の重役も務めるサーフ氏によると、インターネットが誕生した数十年前、その運用をめぐる米国の役割は非常に大きかった。しかし、それ以降長らく米国はそういった大きな役割を担っておらず、「40年前に計画を運用しているときは、そうだったかもしれない。だが今は違う」とサーフ氏は述べた。
またサーフ氏は、ドメインネームシステム(IPアドレスとドメイン名を対応させる仕組み)については米国が今も支配的な役割を担っているものの、「(米政府は)その役割も手放す準備を済ませたと言っている」と説明した。
■ネットの新たな統治を模索する「ネットムンディアル」
「ネットムンディアル」は、新たなインターネットの統治システムの構築方策を話し合う場として開催された。
会議は、米情報当局契約職員だったエドワード・スノーデン(Edward Snowden)氏による米国のスパイ行為暴露の騒動を受けて、ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領が開催を呼び掛けた。
自身の通信も米国家安全保障局(National Security Agency、NSA)の標的とされていたルセフ大統領は昨年、インターネット統治のための新たな国際法制度を監督するよう国連(UN)に呼び掛けた。
今回の会議ではインターネットの悪用を規制する方法や、オンラインの通信をより透明化する方法についても議論された。