【4月25日 AFP】1970年代に旧ソビエト連邦の宇宙飛行士3人を宇宙空間に送り出した宇宙船のカプセルが来月7日、ベルギーで競売に掛けられる。ドイツの競売会社レンペルツ(Lempertz)が23日、発表した。

 旧ソ連の宇宙カプセルが競売に登場するのは欧州初で、予想落札価格は140万ユーロ(約1億9800万円)。

 レンペルツによると、「再突入カプセル(Vozvrashchayemyi ApparatVA)」と呼ばれるこのカプセルは、旧ソ連と米国が宇宙開発競争にしのぎを削った冷戦時代に開発された。高さ2.2メートル、直径2.8メートルで、重量は2トン近い。

 78年には無人ミッションにも使用され、その後は訓練用として使われた。当初はある英国企業に払い下げられたが、この企業が売却を決定し、レンペルツに管理を委託したという。

 今回競売に掛けられるにあたって、カプセルは徹底的に原状回復された。大気圏再突入時の熱で焦げた痕などはきれいに消し去られ、真っ白に塗装し直されている。

 レンペルツでは今回ブリュッセル(Brussels)支店立ち上げに際し、珍しい出品によって注目を得ようとこのカプセルの競売を企画した。競売にはロシアの宇宙服2着も出品され、それぞれ落札額6万ユーロ(約850万円)を見込んでいる。(c)AFP