ロシア、国境地帯で軍事演習 ウクライナによる親露派排除受け
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【4月25日 AFP】ロシア政府は24日、ウクライナとの国境地帯で新たな軍事演習を行うよう軍に指示した。その上で、ウクライナ政府が同国東部のスラビャンスク(Slavyansk)を掌握していた親ロシア派の排除作戦を再開したことについてその「代償」を覚悟すべきと警告した。ウクライナ危機は悪化の一途をたどっている。
ウクライナ暫定政権のオレクサンドル・トゥルチノフ(Oleksandr Turchynov)大統領代行は、スラビャンスクでの軍事行動を完遂する意向を示すと同時に、ロシアに対してウクライナへの「干渉をやめる」よう呼び掛け、さらにウクライナは「テロリストの脅し」には屈しないと宣言した。
緊張が急激に高まったことで、石油価格が上昇している。東欧諸国における北大西洋条約機構(NATO)の防衛力強化のため、自国の部隊を派遣した米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、緊張緩和を目指してウクライナとロシアに加え米国と欧州連合(EU)の4者が結んだ合意を破棄する行為だとしてロシアを非難した。
これに対しロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は、米国とEUが「ウクライナを地政学的なゲームの駒として利用しようとしている」として批判した。
国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、この危機が「制御不能に陥る」恐れがあると警告し、全当事者に対し「暴力に訴えるのは差し控える」よう要請した。